試験概要

試験概要

目的

持続性/慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)患者を対象として、タバリスの有効性及び安全性を評価する(2つの海外第III相臨床試験の成績を併合した解析も検討する)。

試験デザイン

多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較、第III相試験(北米、欧州、オーストラリア)

対象

持続性/慢性ITP患者150例(C788-047試験76例、C788-048試験74例)

投与方法

スクリーニング期(1~4週間)

本試験に組み入れる適格性を確認した。

二重盲検期(24週間)

血小板数(<15,000/μL、≧15,000/μL)及び脾摘の実施歴(有、無)を層別因子として、タバリス群又はプラセボ群に2:1の比率で無作為に割り付け、24週間経口投与した。投与開始時の用法・用量は100mgを1日2回とし、投与4週時以降は血小板数及び忍容性を考慮して150mgを1日2回に増量した。「投与量調整基準」に該当する有害事象が認められた場合は、基準に従って治験薬を100mgを1日1回まで減量した。また、併用可能ITP治療薬を継続可能とし、血小板数が50,000/μL未満でレスキュー治療が必要な患者には、ITPに対する特定の治療方法を使用可能とした。
投与12週時以降、血小板数が50,000/μL未満の患者、又はベースラインの血小板数が15,000/μL未満で20,000/μL以上の増加が認められなかった患者はノンレスポンダーとし、当該患者の試験中止を可能とした。これらのノンレスポンダーがタバリス150mg又はプラセボ1日2回の投与を4週間以上受けていた場合(150mgの忍容性が良好でない場合を除く)、継続投与試験(C788-049試験)への組み入れを可能とし、非盲検下でタバリスの長期投与を受けた。本試験を完了した患者もC788-049試験への組み入れを可能とした。

後観察期(2週間)

治験薬の用量調節に使用した基準

治験薬の投与量レベル

1日投与量 午前 午後
300mg/日 150mg 150mg
200mg/日 100mg 100mg
150mg/日 150mg
100mg/日 100mg

レスキュー薬の用法及び用量

薬剤 用法及び用量
静注免疫グロブリン製剤 最大1g/kgを1~3日間
静注抗D免疫グロブリン製剤 最大50~75μg/kgを1~2日間
静注メチルプレドニゾロン 最大1g/日を1~3日間
経口デキサメタゾン 最大40mg/日を1~2日
経口プレドニゾロン 最大1mg/kg/日を1~3日

評価項目

主要評価項目:Stable platelet responseの達成割合
Stable platelet responseは、投与14~24週までの6回の来院のうち、4回以上で血小板数50,000/μL以上と定義し、達成した患者をレスポンダーとした。

安全性評価項目:有害事象、治験薬との関連性 等

解析計画

有効性解析の主要集団は、Intent-to-Treat(ITT)集団(無作為割り付けられた全患者)とし、無作為割り付けに従って解析した。安全性解析対象集団には、無作為割付けされ治験薬の投与を受けたすべての被験者を含め、実際に受けた治療に従って解析した。すべての安全性解析は安全性解析対象集団を対象に実施した。なお、C788-048試験でプラセボ群に割り付けられた1例にタバリスが2週時に投与されたため、この1例をタバリス群に含めて解析した。そのため安全性解析対象集団は、C788-048試験及び併合解析では、タバリス群とプラセボ群の解析対象集団が1例異なる。

主要評価項目は、Stable platelet responseを達成した患者(レスポンダー)の血小板数及び割合を投与群別に要約し、その真の割合に対応する正確な両側95%CI(Clopper-Pearson法)を算出し、Fisher's Exact検定を用いてタバリス群のプラセボ群に対する優越性を評価した。有意水準は両側5%とした。なお、効果不十分又は有害事象のため投与24週時以前に投与中止した患者、及び投与10週時以降にレスキュー治療を受けた患者は、ノンレスポンダーとして扱った。欠測によりレスポンダー又はノンレスポンダーを判定できない患者の血小板数は、主解析ではLast observation carried forward(LOCF)を用いて補完した。

C788-047試験及びC788-048試験の併合解析を有効性評価項目及び安全性評価項目を対象に行った。

安全性評価項目は、副作用及び有害事象の発現状況を解析した。

試験スケジュール

試験スケジュール

患者背景(ITT集団)

項目 C788-047試験 C788-048試験 併合解析
プラセボ群
(n=25)
タバリス群
(n=51)
プラセボ群
(n=24)
タバリス群
(n=50)
プラセボ群
(n=49)
タバリス群
(n=101)
年齢(歳)、
中央値[範囲]
57[26, 77] 57[20, 88] 50[20, 78] 50[21, 82] 53[20, 78] 54[20, 88]
性別:女性、n(%) 17(68) 30(59) 13(54) 31(62) 30(61) 61(60)
地域、n(%)
北米 8(32) 17(33) 0 0 8(16) 17(17)
欧州 13(52) 25(49) 24(100) 50(100) 37(76) 75(74)
オーストラリア 4(16) 9(18) 0 0 4(8) 9(9)
ITP罹病期間(年)、
中央値[範囲]
5.5[0.4, 45.0] 7.5[0.6, 53.0] 10.8[0.9, 29.1] 8.8[0.3, 50.2] 7.8[0.4, 45] 8.7[0.3, 53]
ITP罹病期間≧3年、
n(%)
17(68) 38(75) 18(75) 38(76) 35(71) 76(75)
ITP前治療の種類、
中央値[範囲]
5.0[1, 10] 3.0[1, 9] 3.0[1, 10] 3.0[1, 13] 3.0[1, 10] 3.0[1, 13]
ITP前治療の内訳、
n(%)
副腎皮質ステロイド 25(100) 46(90) 22(92) 48(96) 47(96) 94(93)
静注免疫グロブリン 17(68) 33(65) 10(42) 19(38) 27(55) 52(51)
TPO受容体作動薬 15(60) 27(53) 10(42) 20(40) 25(51) 47(47)
免疫抑制剤 12(48) 22(43) 10(42) 22(44) 22(45) 44(44)
脾摘 10(40) 20(39) 9(38) 14(28) 19(39) 34(34)
リツキシマブ 11(44) 26(51) 3(13) 8(16) 14(29) 34(34)
ダナゾール 4(16) 7(14) 5(21) 13(26) 9(18) 20(20)
化学療法 2(8) 4(8) 4(17) 5(10) 6(12) 9(9)
その他
(ジアフェニルスルホンa)
3(12) 10(20) 0 0 3(6) 10(10)
ベースライン
血小板数(/uL)、
平均値[範囲]
15,844
[1,000, 48,000]
16,202
[1,000, 51,000]
23,958
[1,000, 156,000]
15,900
[1,000, 33,000]
19,818
[1,000, 156,000]
16,052
[1,000, 51,000]

a)ジアフェニルスルホンの本邦における適応症はハンセン病である。

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