治療
治療目標と効果判定
慢性ITPに対しての治療目標は、重篤な出血を予防しうる血小板数を維持することです。
また、治療効果の判定では、血小板数は少なくとも1週間以上あけて2回以上測定した値を用いて、いずれの測定値も基準を満たす必要があります。
治療目標
重篤な出血を予防しうる血小板数(通常、3万/μL以上)を維持すること。
治療効果の判定基準
判定 | 基準 |
---|---|
完全奏効(CR) | 血小板数10万/μL以上で出血症状を認めない状態 |
部分奏効(PR) | 血小板数3万/μL以上かつ治療前値の2倍以上で出血症状を認めない状態 |
無効(NR) | 以下のうち、少なくとも1つ該当する状態 ①血小板数3万/μL未満 ②治療前値の2倍未満の増加 ③出血症状の存在 |
治療の流れ
ITPと診断された場合、まずピロリ菌感染の有無について検討することが重要です。
ただし、強い出血症状や致死的出血の危険がある場合は、緊急時の治療を優先します。
成人ITP治療の流れ
※1:順不同
※2:いずれの薬剤も保険適用外
柏木浩和ほか:臨床血液; 60(8), p877-896, 2019から※2追記あり