いまさら聞けない透析の基礎知識

いまさら聞けない透析の基礎知識

透析医療の基本知識についてお届けします。

  • シャントトラブル④ 感染

    監修医師:旭川赤十字病院 腎臓内科 小林 広学 先生

    シャント部が細菌などに感染すると、シャントの寿命が短くなってしまいます。感染リスクが最も高いのは長期留置カテーテル、次に人工血管内シャント(AVG)、自己血管内シャント(AVF)とされています1)。また、長期留置カテーテルやAVGの感染は難治性になりやすいため、とくに注意が必要です。

  • シャントトラブル③ 過剰血流

    監修医師:旭川赤十字病院 腎臓内科 小林 広学 先生

    シャント血液量が増え、循環動態の許容範囲を超える場合を過剰血流といいます。過剰血流を判断する基準値は、患者さんの状態にもよるため厳密なものはありませんが、一般的にシャント血流量が1,500〜2,000mL/分以上、もしくはシャント血流量を心拍出量で割ったFlow/COが30〜35%以上になると、循環器に過剰な負担がかかります。

  • シャントトラブル② スチール症候群

    監修医師:旭川赤十字病院 腎臓内科 小林 広学 先生

    スチール症候群とは、本来は末梢に供給される動脈血がシャント(アクセス静脈)に流入することによって起こる末梢循環障害・虚血症状で、手指に冷感やしびれ、疼痛などが現れます。発生リスクが高いのは、高齢者のほか、糖尿病や全身性エリテマトーデス(SLE)などのためにもともと末梢循環障害を持っている患者さん、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)を合併している患者さん、頻回のシャント造設手術により末梢動脈の血流量が低下している患者さんなどです。

  • クリスマス料理やおせち料理を楽しむために

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター 内科(腎臓)

    年末年始は"ごちそう"を食べる機会が増える時期。透析患者さんも、食事療法の基本を押さえればクリスマス料理やおせち料理を楽しむことができます。 主なポイントは、「腹八分目を心がける」「いろいろなものを少しずつ食べる」「食べる分を小皿に取り分ける」「食べすぎたときは次の食事で調整する」「体重測定をこまめに行う」という5つです。

  • シャントトラブル① シャント血管の狭窄・閉塞

    監修医師:小林 広学 先生 旭川赤十字病院 腎臓内科

    適正な透析を行う上でとても大切なシャントですが、さまざまな理由でトラブルが起こることがあります。とくに起こりやすいトラブルは、シャント血管の狭窄や閉塞、静脈高血圧、スチール症候群、動静脈瘤、過剰血流です。 今回は、発生頻度の高い狭窄と閉塞について解説します。

  • たまには外食を楽しみたい・外食が多いという患者さんの食事指導

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    外食には、気分転換やストレス発散、家族や友人等との楽しい時間の共有など、さまざまなメリットがあります。料理の選び方や食べ方をアドバイスし、無理なく食事療法を続けられるようにサポートしましょう。 お店で提供される料理は味付けが濃く、肉や魚の量が多めですが、少し工夫することで、食塩、たんぱく質、カリウム、リンの摂りすぎを防ぐことができます。麺類はできるだけ避けてもらいたいところですが、どうしても食べたいときや、付き合いで食べざるを得ないことがあるかもしれません。そのようなときのために、麺類の食べ方も知っておいてもらうとよいでしょう。

  • 食欲不振でやせるのを防ぐ!

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    透析患者さんは、尿毒症や慢性的な炎症、味覚障害、薬の副作用など、さまざまな理由で食欲不振になることがあります。加齢や運動量・活動量の低下、さらには夏の暑さで食べられなくなる患者さんもいます。 食欲不振を放置すると低栄養になり、やせて筋肉量の減少や筋力の低下を招くため、早めに対処することが大切です。食欲がないという訴えがあったときや、食欲がなさそうな様子に気づいた際には、次をチェックしてみましょう。

  • 透析患者さんの熱中症予防対策

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    一般的な熱中症対策は、水分をこまめに摂る、塩分を適度に摂取するなどですが、透析患者さんにそのままあてはめることはできません。また、尿毒素の影響で自律神経が障害されやすい透析患者さんは、体温調節機能がうまく働かずに暑くても発汗が起こりにくく体内に熱がこもりやすい、体液量・電解質のバランスが崩れやすいといった特徴があるため、より慎重な熱中症対策が求められます。

  • コンビニやスーパーの弁当・惣菜の食べ方

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    食事を作る時間がないときや、作るのが面倒なときに便利なコンビニ弁当や惣菜、出前。これら調理済みの食品を購入して食べる形態の食事を中食(なかしょく)と呼びますが、透析患者さんも、ちょっとした注意事項を守れば食事療法で制限された範囲で食べることができます。とくに、栄養成分表示のあるコンビニやスーパーの弁当・惣菜は透析患者でも取り入れやすい中食です。

  • 運動を長く続けてもらうために

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    適度な運動が心身の健康状態やQOL、生命予後を向上させることは確かですが、習慣化が難しいこともまた事実です。むしろ「運動は本来続かないもの」ととらえ、だからこそ工夫が必要であり、運動を習慣化するまでには時間がかかるという認識で指導にあたることが重要だと言えるでしょう。

  • 透析患者さんに適した有酸素運動とは

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    有酸素運動は、低強度のウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳など長く無理なく安全に続けられる運動です。筋収縮のエネルギーであるアデノシン三リン酸(ATP)を、グリコーゲンなどの糖、脂肪酸が酸素とともに産生することから有酸素運動と呼ばれます。健康の維持・増進への効果は幅広く、持久力の向上、心肺機能の向上、体脂肪の減少、肥満の解消、血圧の低下、耐糖機能改善、LDH-コレステロール増加、動脈硬化の予防や改善、免疫機能の強化、寿命の延長などが認められ、心血管疾患の減少も期待できます。

  • リン制限の説明のポイント

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    リンは人体の電解質のうちカルシウムの次に多く、成人の場合は体重の約1%を占めます。その約85%が骨や歯に含まれ、残りの15 %は細胞膜や核酸の構成要素として体内の細胞に存在するほか、エネルギー産生に必要な物質の構成成分になっています 食物から摂取されたリンは約60%が吸収され、残りは便とともに排泄。吸収されたリンは、大半が尿から排泄されます。腎機能が低下するとリンの尿排泄が減るため、体内にリンがたまってしまいます。保存期腎不全から徐々に血中リン値が上昇しており、透析導入後も透析で除去できるリンの量は限られるため、透析患者さんは高リン血症になりやすいです。透析患者さんの管理目標値は透析前で3.5〜6.0mg/dLです4)(健常者の基準値は2.5〜4.7mg/dL)。

  • 透析患者さんに適したレジスタンス運動とは

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    レジスタンス運動は筋肉トレーニングの一種で、筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動です。筋肉量増加、筋力向上、筋持久力向上を促す効果があり、アスリートから高齢者まで広く行われています。ダンベルやマシンなどの道具を用いる方法と、スクワットなどのように自分自身の体重を利用して行う方法があります。 透析患者さんは、週3回、4〜5時間をベッド上で過ごすことに加え、合併症や加齢による身体機能の低下もあり、身体活動量が低下しやすくなります。身体活動量の低下はさらなる身体機能の低下を招き、生命予後に悪影響を与えるため、運動療法を生活に取り入れて、活動量を増やしながら身体機能を高めることが必要になります。

  • カリウム制限説明のポイント

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    腎臓は電解質バランスの調整を行っています。なかでもカリウムは腎臓から90%が排泄されるため、腎機能が低下・廃絶するとカリウムが体内に溜まります。高カリウム血症の症状は脱力感や食欲不振などですが、重篤になると不整脈や心臓突然死を招くことも。透析患者さんにとってカリウム制限は必須です。

  • たんぱく質制限説明のポイント

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    透析患者さんがたんぱく質制限を行う理由は、腎臓の負担をできるだけ軽くするためと、体内に溜まる老廃物を最小限に抑えるためです。たんぱく質が体内でエネルギー源として燃やされると、水と二酸化炭素のほかに窒素化合物などの老廃物(たんぱく終末産物)が生まれます。

  • 透析患者さんの腎臓リハビリテーション

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    現在、さまざまな疾患に対して専門的なリハビリテーションが行われるようになっています。透析患者さんに対する腎臓リハビリテーションも、2016年から公的医療保険が適用され、実施する医療機関が増えました。腎臓リハビリテーションの主な目的は、運動能力や持久力の向上、心血管疾患の予防と心肺機能の改善、ADLおよびQOLの改善、低栄養状態、貧血の改善、透析効率の改善、うつ状態の改善などです。

  • 食塩制限の説明のポイント

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    食塩を摂りすぎるとのどが乾き、水分の過剰摂取につながります。その結果、体液量が増え、高血圧や浮腫、体重増加を引き起こします。また、1回の透析で多くの水分を除去しなければならないため、血液透析の場合では透析中の血圧低下や下肢釣りなどが出現して透析を中断しなければならなくなることもあります。

  • 適正なエネルギー摂取で栄養状態を良好に保つ

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    透析患者さんが食事療法を行う目的は合併症の予防です。適切な食事療法によって、低栄養の予防を含む栄養状態の維持や体液の調整が可能となり、合併症のリスクが低減するため生命予後にもよい影響を与えます。食事療法で重要なのは、エネルギー、たんぱく質、食塩、水分、カリウム、リンの摂取量。透析患者さんの食事療法基準は、日本腎臓学会による「慢性腎臓病に対する食事療法基準」で次のように示されています

  • 透析患者はサルコペニア・フレイルのリスクが高い!

    監修医師:小岩 文彦 先生 昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター内科(腎臓)

    近年は、高齢者こそ良質なたんぱく質をしっかり摂ることが推奨されています。骨格筋量が減少していくサルコペニアや、心身が衰え虚弱化するフレイルを予防するためですが、透析患者さんもこれらの予防が重要です。透析患者さんは保存期のたんぱく質制限によって栄養障害を発症するリスクがあり、血液透析療法開始後は毎回の透析療法によって栄養素が失われることもあり、一般高齢者のサルコペニア有病率が6〜12%

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