日常診療におけるIBD診断のコツ

日常診療におけるIBD診断のコツ

IBD をご専門としない一般診療の先生方や実地医家の先生方がIBDを日常診療で診るためのポイントを、シリーズでご紹介します。IBD診療のエキスパートによる監修で、各回コンパクトにチェック頂ける記事コンテンツです。

  • 5.外来管理(重症度の見極め)

    監修医師:猿田 雅之先生 東京慈恵会医科大学 消化器・肝臓内科 主任教授

    IBD患者では、寛解期や活動期でも重症度の軽いものについては主に外来診療で治療と経過観察が行われ、中等症や重症では入院治療が検討される。重症度分類は、どれだけ活動性があるかをみるだけではなく、治療選択の指標にもなりうる重要なものである。未診断のIBD患者は、症状があって受診しているケースが大半であり、活動期であることが多い。活動期と判断したら、重症度分類に必要な項目の情報を正確に聴取して判定し、内視鏡検査を行った場合は、臨床的な重症度に加え、内視鏡的な重症度も加味して評価する。診断前のIBD患者であれば、UCあるいはCDと仮定した場合どの程度の重症度かを把握するように努める。今回のパート5では、IBDの重症度を見極めるための重症度分類について概説する。

  • 4.IBDを疑う患者の検査

    監修医師:猿田 雅之先生 東京慈恵会医科大学 消化器・肝臓内科 主任教授

    IBDの診断、疾患活動性の評価、治療反応性の評価は、単独の方法で評価することは困難であり、問診・診察に加え必要に応じてさまざまな検査を行う必要がある。今回のパート4では、CTやMRI等の設備がない診療所でも簡便に行えるIBDの診断として、血液検査、便検査、バイオマーカーによる検査、画像診断のポイントについて概説する。

  • 3.IBDを疑う患者に対する問診と身体診察

    監修医師:猿田 雅之先生 東京慈恵会医科大学 消化器・肝臓内科 主任教授

    IBDでは慢性の腹痛や下痢や血便を呈するが、同様の症状を認める疾患を除外する必要があるため、問診における5W1Hを意識して、「どのような時に」「いつから」「どの程度」などの丁寧な症状の問診や、全身の診察が重要となる。今回のパート3では、IBDを疑う患者に認められる現象・症状および患者に対する問診・身体診察について概説する。

  • 2.IBDを疑うべき症状

    監修医師:猿田 雅之 先生 東京慈恵会医科大学 消化器・肝臓内科 主任教授

    かつては希少疾患と言われていたIBDは、今では消化器医の "common disease" となっており、最初に受診することが多い診療所での的確な診断が非常に重要である。今回のパート2では、診療所で日常的に診察する消化器症状のなかで、IBDを疑うべき臨床症状、IBDと鑑別すべき疾患・症状などについて概説する。

  • 1.炎症性腸疾患とは

    監修医師:猿田 雅之 先生 東京慈恵会医科大学 消化器・肝臓内科 主任教授

    炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)は慢性腸管炎症を呈する疾患の総称であり、炎症が原則として大腸のみである潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)と口から肛門に至る全消化管に炎症を起こしうるクローン病(Crohn's disease:CD)に大別されるが、消化管以外のさまざまな臓器にも病変を生じる。わが国の患者数は急増しており、現在の推定患者数はUCが22万人、CDが7万人と見積もられている1)。

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