これだけは押さえたい!一般診療における排尿管理・ケアのポイント

これだけは押さえたい!一般診療における排尿管理・ケアのポイント

一般診療における排尿管理やケアについて、これだけは押さえておきたいという取り組み方法や内容についてご紹介します。

  • 過活動膀胱診療では患者さんの意向と満足度を重視する

    札幌医科大学医学部 泌尿器科学講座 教授 舛森 直哉 先生

    最近,尿が近い(頻尿),尿が漏れる(尿失禁),尿が出ない(尿閉)といった排尿トラブルや,尿取りパッド,大人用紙おむつなどを用いた排尿ケアについてメディアで報じられるようになり,患者さんは「おしっこ」の悩みは自分だけでないことに気づき,治療を希望することが増えてきています。 一方で,頻尿や尿失禁があってもどのタイミングで受診すればよいのか,どの診療科を受診すればよいのか,羞恥心から受診を控えている患者さんも多いといわれています。 生活習慣病で内科かかりつけ医に通院中の女性患者5,560例を対象に行った調査によると,21.7%(約5人に1人)が排尿に関する悩み・心配があると回答していました。そのうちの80.5%が治療を希望し,排尿トラブルも通院中の内科かかりつけ医に診てほしいと希望した患者は69%と最も多かったことが報告されています1)。

  • 過活動膀胱の患者さんは加齢とともに増えている

    札幌医科大学医学部 泌尿器科学講座 教授 舛森 直哉 先生

    LUTSの中でも,尿意切迫感を必須症状とする過活動膀胱(OAB)は,QOLを低下させるといわれていますが,どれくらいの人がOABになっているのでしょうか。 2002~2003年に日本排尿機能学会が,全国の40歳以上の男女4,480名(男性2,100名,女性2,380名)を対象に排尿に関する大規模疫学調査1)を行いました。OABを「1日の排尿回数が8回以上,かつ,尿意切迫感が週1回以上」とすると,OABの有病率は全体で12.4%(男性14.3%,女性10.8%)で,当時の人口構成から約810万人と推定され,年齢とともに増加していました1)。2012年の人口構成では,約1,040万人(14.1%)と推定されています2)。 また,2018年に20~79歳(平均年齢40.4歳)の女性4,804名を対象にOABSS(OAB症状スコア)を用いた調査では,OABの有病率は8.1%と報告されています3)。

  • 問診から始まる過活動膀胱診療

    札幌医科大学医学部 泌尿器科学講座 教授 舛森 直哉 先生

    「トイレまで間に合わず尿を漏らしてしまう」「夜中にトイレのために目が覚めてしまう」「日に何度もトイレに行きたくなる」...。 患者さんから,身近な悩み事として「トイレ」の話を相談されたことはありませんか。 その一方で,年代を問わず他人,家族にも相談しにくいのが「トイレ,おしっこ」の話です。男性も女性も40歳を過ぎたころから頻尿,尿失禁などの下部尿路症状(LUTS)が現れやすくなります。しかし,「おしっこのことで悩んでいるのは自分だけ?」と思っている患者さんは多いのです。 排尿トラブルは患者さんのQOLの低下につながりますが,LUTSがあっても,病気として認識していなかったり,恥ずかしさから泌尿器科への受診をためらうなど,必要な治療を受けていない方も多くいます。

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