作用機序
作用機序1)
ANCA関連血管炎の病態進行の要因として補体系の活性化の最終段階で産生されるアナフィラトキシンC5aが重要であると考えられています。ANCA関連血管炎においてC5aはC5a受容体(C5aR)を介して血中の好中球をプライミングし、ANCA抗原であるミエロペルオキシダーゼ(MPO)やプロテイナーゼ3(PR3)が細胞膜上に移行した後、細胞外に放出されます。ANCAがMPOやPR3に結合し、さらに好中球上のFcγ受容体と結合すると好中球が活性化します。活性化した好中球は、脱顆粒や活性酸素種(ROS)放出により血管内皮細胞を障害し、また好中球細胞外トラップ(neutrophil extracellular traps:NETs)形成を引き起こし、炎症を誘導します。この炎症はさらなる補体活性化を誘導し、血管炎を増幅する悪循環を繰り返します2-4)。このため、C5aRを阻害し、C5aの反応を抑制することはANCA関連血管炎の治療に有効であると考えられています2,3)。
タブネオスは、選択的C5aR拮抗作用によってC5a-C5aRシグナルを介した好中球のプライミングを抑制します。それにより、好中球によって誘発される炎症及び血管炎の増幅を緩和させ、ANCA関連血管炎の病態を改善します。
Chen M et al. :Nat Rev Nephrol 13:359, 2017より改変
1)社内資料:効力を裏付ける試験(作用機序)
2)Chen M et al. :Nat Rev Nephrol 13:359, 2017
3)Jennette JC et al. :Nat Rev Rheumatol 10:463, 2014
COI:ChemoCentryx実施治験
4)山田秀裕:日腎会誌 56:98, 2014