グルベス配合錠 Q&A
「Q&A」は、医療関係者の皆様に向けて作成しています。
本内容は、製品の適正使用に関する参考情報であり、すべてのケースに当てはまるものではありません。また、国内で承認された効能効果・用法用量の範囲外の情報を含む場合がありますが、当社として推奨するものではありません。製品のご使用にあたっては、最新の電子添文をご確認ください。
「Q&A」のご利用によって、生じた結果につきましては、責任を負いかねますのでご了承ください。
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Q1.グルベス配合錠の食直前の服薬指導について教えてください。
食事の直前5分以内に服用するようご指導ください。
グルベス配合錠の配合成分であるミチグリニドカルシウム水和物は、食後投与では速やかな吸収が得られず効果が減弱します。効果的に食後の血糖上昇を抑制するため、グルベス配合錠の投与は、毎食直前(5分以内)としてください。
また、グルベス配合錠で検討したデータはありませんが、ミチグリニドカルシウム水和物は、投与後速やかに薬効を発現するため、食前30分投与では、食前15分に血中インスリン値が上昇し、食事開始時の血糖値が低下することが報告されており、食事開始前に低血糖を誘発する可能性があります。このことからも、グルベス配合錠の投与は毎食直前(5分以内)としてください。参考資料:
電子添文
〔2023年11月改訂〕-
Q2.グルベス配合錠の用法は食直前投与ですが、食後に服用するとどうなりますか?
グルベス配合錠を、食後に投与して有効性、安全性を検討した報告はありません。
グルベス配合錠で検討したデータはありませんが、グルベス配合錠の配合成分であるミチグリニドカルシウム水和物の承認時の第Ⅰ相臨床試験(単回投与)において、健康成人男性にミチグリニドカルシウム水和物5mgを食後に経口投与注)すると、食直前に比べて、最高血漿中濃度(Cmax)の低下と最高血漿中濃度到達時間(Tmax)の遅延により効果が減弱します。この薬物動態パラメータの変化は、低血糖症状の発現に繋がる可能性があります。
健康成人男性におけるミチグリニドカルシウム水和物5mgの食直前及び食後投与時の
薬物動態パラメータ注)グルファスト錠・グルファストOD錠(ミチグリニドカルシウム水和物)の承認されている用法及び用量は、「通常、成人にはミチグリニドカルシウム水和物として1回10mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。」です。
参考資料:
グルベス配合錠 電子添文
グルファスト錠・OD錠 電子添文
〔2023年11月改訂〕-
Q3.グルベス配合錠を食事中あるいは食後に飲み忘れたことに気づいた場合、どうすればよいですか?
食事中あるいは食後にグルベス配合錠の飲み忘れに気づいた場合には、その回の服用はさけ、次の食事の際、食直前(5分以内)に1回分を服用してください。2回分を一度に服用したり、空腹時に服用したりしないでください。
参考資料:
グルベスを服用される患者さんへ
〔2023年11月改訂〕-
Q4.グルベス配合錠の副作用「低血糖」が発現した場合の対応について教えてください。
グルベス配合錠の服用により、低血糖症状(眩暈、空腹感、振戦、脱力感、冷汗、意識消失等)が認められた場合には、ブドウ糖を投与してください1)。
グルベス配合錠の配合成分であるボグリボースはショ糖からブドウ糖への分解を阻害するため、グルベス配合錠服用中に低血糖症状が認められた場合は、ショ糖ではなく、必ずブドウ糖を摂取して回復を図る必要があります2)。参考資料:
1) 電子添文
2) インタビューフォーム
〔2023年11月改訂〕-
Q5.グルベス配合錠はスルホニル尿素系製剤(SU剤)と併用してもよいですか?
グルベス配合錠は、スルホニル尿素系製剤と、併用しないでください。
グルベス配合錠の配合成分であるミチグリニドカルシウム水和物は、速やかなインスリン分泌促進作用を有しています。その作用点は、スルホニル尿素系製剤と同じであり、スルホニル尿素系製剤との相加・相乗の臨床効果及び安全性は、確認されていません。参考資料:
電子添文
〔2023年11月改訂〕-
Q6.グルベス配合錠の腎機能障害患者への投与に関する注意事項を教えてください。
腎機能障害患者への投与は、低血糖を起こすおそれがあるため、注意が必要です。
グルベス配合錠で検討したデータはありませんが、グルベス配合錠の配合成分であるミチグリニドカルシウム水和物の腎機能障害患者における臨床試験において、慢性腎不全患者の血漿中薬物未変化体濃度の消失半減期が延長することが報告されています。成人腎機能正常者、腎機能低下患者及び慢性腎不全患者(ミチグリニドカルシウム水和物投与前日の平均クレアチニンクリアランス値はそれぞれ113.75、37.01及び3.431mL/min)に、ミチグリニドカルシウム水和物10mgを食直前に単回経口投与したとき注)、クレアチニンクリアランスの低下に伴いt1/2は延長しましたが、その他の主要パラメータ(Cmax、AUC0-inf及びCLtot/F)と、クレアチニンクリアランスとの間に、有意な相関は認められませんでした。
腎機能正常者、腎機能低下患者及び慢性腎不全患者における
ミチグリニドカルシウム水和物10mg投与時の薬物動態パラメータ
注)グルファスト錠・グルファストOD錠(ミチグリニドカルシウム水和物)の承認されている用法及び用量は、「通常、成人にはミチグリニドカルシウム水和物として1回10mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。」です。
参考資料:
グルベス配合錠 電子添文
グルファスト錠・OD錠 電子添文
〔2023年11月改訂〕-
Q7.グルベス配合錠とグルベス配合OD錠で有効性や安全性に違いはありますか?
以下の生物学的同等性試験の結果、グルベス配合錠とグルベス配合OD錠は、生物学的同等性が確認されているため、有効性や安全性は、同等であると考えられます。
<薬物動態試験>
健康成人男性を対象として、グルベス配合OD錠(水なし又は水で服用)又はグルベス配合錠(標準製剤*、水で服用)それぞれ1錠をクロスオーバー法により空腹下に単回経口投与しました。
血漿中ミチグリニド濃度の同等性評価パラメータ(AUC0-5hr及びCmax)について、90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、生物学的同等性の判定基準(log(0.80)~log(1.25))の範囲内でした。<薬効薬理試験>
健康成人男性を対象として、グルベス配合OD錠(水なし又は水で服用)又はグルベス配合錠(標準製剤*、水で服用)それぞれ1錠をクロスオーバー法によりショ糖負荷直前に経口投与しました。
血漿中グルコース濃度の同等性評価パラメータ(ΔAUC0-3hr及びΔMax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、生物学的同等性の判定基準(-0.20~0.20)の範囲内でした。*標準製剤:ミチグリニドカルシウム水和物10mg及びボグリボース0.2mgの併用投与
・ΔAUC0-3hr:投与前後のショ糖負荷後3時間までの血漿中グルコース濃度―時間曲線下面積の差
・ΔMax:投与前後の血漿中グルコース濃度の最大変化量注)グルベス配合錠・グルベス配合OD錠の承認されている用法及び用量は、「通常、成人には1回1錠(ミチグリニドカルシウム水和物/ボグリボースとして10mg/0.2mg)を1日3回毎食直前に経口投与する。」です。
参考資料:
グルベス配合錠 電子添文
グルベス配合OD錠 電子添文
〔2024年5月改訂〕-
Q8.グルベス配合錠の粉砕、崩壊・懸濁性及び経管チューブの通過性に関する情報を教えてください。
本内容には承認を受けていない品質に関する情報が含まれています。試験方法等が確立していない内容も含まれており、あくまでも記載されている試験方法で得られた結果を事実として提示しています。医療従事者が臨床適用を検討する上での参考情報であり、加工等の可否を示すものではありません。
インタビューフォーム XIII.備考「1.調剤・服薬支援に際して臨床判断を行うにあたっての参考情報」に掲載しております。
以下のリンクから、ご参照ください。■粉砕品の安定性■
■崩壊・懸濁性及び経管チューブの通過性■注:グルベス配合錠の承認されている用法及び用量は、「通常、成人には1回1錠(ミチグリニドカルシウム水和物/ボグリボースとして10mg/0.2mg)を1日3回毎食直前に経口投与する。」です。粉砕又は懸濁して投与する方法は、グルベス配合錠の承認された用法及び用量ではありません。また、グルベス配合錠を粉砕又は懸濁した製品での臨床試験、薬物動態、安定性、有効性及び安全性等のデータはなく、グルベス配合錠の粉砕投与及び懸濁投与は推奨しません。
参考資料:
インタビューフォーム
〔2023年11月作成〕