IBD診療のお悩み解決!
エキスパートに聞く診療のコツ
インタビュイ
- 杏林大学医学部 消化器内科学 准教授
- 松浦 稔 先生
関節症状は最も高頻度に認められる炎症性腸疾患(IBD)の腸管外合併症であり、関節痛はIBD患者の40~50%、関節炎は10~20%に合併します1)。IBDに合併する関節炎はIBD関連脊椎関節炎(IBD-related spondyloarthritis: IBD-related SpA)と呼ばれ、主に脊椎や仙腸関節などの体軸関節優位に生じる脊椎関節炎(axial dominant SpA)と、手指や膝、足関節などの末梢関節を主な罹患部位とする脊椎関節炎(peripheral dominant SpA)に分類されます(図)2)。これらの関節炎は専門医にとっても診断が難しく、発症メカニズムや病因についても明らかになっていません。そこで、これまでの「Ⅰ. 炎症性腸疾患の腸管外合併症治療指針(2022年3月改訂)および血栓塞栓症」「Ⅱ. 皮膚病変」に続き、今回も杏林大学医学部消化器内科学 准教授 松浦稔先生に、IBDに合併する関節痛・脊椎関節炎の診断のポイント、治療の現状や問題点についてご解説いただきました。
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