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薬剤師のためのお役立ちcolumn

地域の人々に頼られる薬局を目指してさまざまな活動にご尽力されている
みどり薬局(東京都台東区蔵前)の坂口眞弓先生と田中みずき先生に、
それぞれの患者さんに合わせた服薬指導・声かけ・支援のポイントについて伺いました。

今回のテーマリフィル処方箋の患者さんを
フォローすることの喜び

  • 「症状が安定している患者さん」と思い込まないようにする
  • 残薬がある場合にはなぜ残ってしまったのかを考えてみる
  • 次回来局に向けたサポートができないかを考えてみる
  • 定期的に来局してもらうメリットを感じてもらえる環境作りをする

「症状が安定している患者さん」と思い込まないようにする

 リフィル処方箋の患者さんは基本的には症状が安定しており、医師がリフィルによる処方が可能と判断した患者さんです。とは言え、状態が急に悪化してしまう患者さんもいないわけではありません。現在治療中の疾患や治療薬の副作用と思われる症状についてはもちろんのこと、体調が変化したなどの訴えがあれば、薬剤師が注意深く対応を判断する必要があります。

残薬がある場合には
なぜ残ってしまったのかを考えてみる

 「今、薬はどのくらい残っていますか」を必ず尋ねます。患者さんも医療費負担が減る可能性があることがわかれば、正直に打ち明けてくれます。残薬がある場合には調剤する薬剤の数を調整して終わるのではなく、「どうして残っているのだろう」と考えます。特に特定の薬剤が飲めていない場合には必ず理由があります。患者さんごとに個別に課題を抽出して指導を行います。ほとんど飲めておらず改善も見込めないと判断した場合には、医師へ処方変更提案を含めた情報提供を行います。

次回来局に向けたサポートができないかを考えてみる

 患者さんが処方箋をなくしてしまったり、2回目の受け取りを忘れてしまったりすることが考えられます。みどり薬局では次回の来局目安「〇月〇日~〇月〇日」と期限「〇月〇日まで」を記載したレターをお渡ししたり、期日が迫った場合にはショートメールでリマインドを行っています。
 さまざまな事情から、「次回は他の薬局で受け取りたい」と申し出る方もいらっしゃいます。その際には当薬局名と連絡先が記載されたカードをお渡しし、次回に訪ねられた薬局のスタッフにお見せするようにお伝えしています。その薬局から連絡をいただいて患者さん情報の共有を図っています。

定期的に来局してもらうメリットを
感じてもらえる環境作りをする

 リフィル処方箋の患者さんは長期にわたって定期的に薬局に訪れるため、患者さんにとっての薬剤師の位置づけはこれまで以上のものです。みどり薬局では、心電計付き血圧計、HbA1c測定機器、コレステロール測定機器を設置しており、希望する患者さんが利用できるようにしています。これによって、単に定期的に薬を受け取りに行くだけの場所ではなく、健康状態を確認したり、日頃気になっていることを気軽に相談できる薬局・薬剤師でありたいと考えています。リフィル処方箋の患者さんへのフォローが、地域の人々の健康維持に関われる喜びを感じるきっかけになるかもしれません。

PROFILE

坂口 眞弓 先生
坂口 眞弓先生
慶應義塾大学薬学部(元共立薬科大学)を卒業後、東京大学医学部附属病院薬剤部勤務を経て、1984年よりみどり薬局(東京都台東区蔵前)代表。東京薬科大学 客員教授/日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会 理事 など
田中 みずき 先生
田中 みずき先生
慶應義塾大学薬学部(元共立薬科大学)を卒業後、東京大学医学部附属病院薬剤部で約20年勤務されたのち、2019年よりみどり薬局へ。日本在宅ケアアライアンス「食支援」委員会 委員

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