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薬剤師のためのお役立ちcolumn

安全な医療を提供するための情報確認のポイント

薬剤師は、患者さんに薬をお渡しする前の最終確認の役割を担っています。
しかし、薬局内で手順が標準化されていなければ、どのように確認するか迷ってしまうことも。
3つの事例とともに、情報確認のポイントについて考えます。

イラスト

監 修坂口 眞弓 先生 みどり薬局[東京都台東区蔵前]

事例1

「オンライン資格確認等システム」を利用して、禁忌薬の処方を防いだ事例1)

概要

●
風邪症状がある患者に総合感冒剤A顆粒が処方された。
●
患者は初めての来局で、お薬手帳を持っておらず、患者からも服用している薬剤の情報を聴取できなかった。
●
患者からマイナ保険証の提示があったため、同意を得てオンライン資格確認等システムで薬剤情報を閲覧したところ、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬B錠を服用していた。前立腺肥大症はA顆粒の病態禁忌であった。
●
B錠の服用について、薬剤師が処方医に伝えたところ、A顆粒が削除となった。

背景・要因

●
処方医は、患者が服用している薬剤を把握していなかった。
●
薬局の問診票の現病歴・既往歴欄に、患者は前立腺肥大症を記載しなかった。

事例1から
考えられること

患者さんは薬歴や既往歴を正確に伝えられないことがあります。1つの情報源に頼るのではなく、聴取、問診票、お薬手帳、マイナ保険証といった様々な情報源を確認することが重要です。
 特に、マイナ保険証によるオンライン資格確認等システムを用いると、診療・薬剤情報を包括的に確認できます。イラスト従来通りのお薬手帳の確認や丁寧な聴取も大切にしながら、新しいシステムを上手に活用します。

イラスト:お薬手帳
事例2

患者の生活状況を考慮し、処方医へ情報提供を行った事例2)

概要

●
慢性疾患の治療のため専門医を受診した患者に薬剤A錠が処方された。
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患者は普段から当該薬局を利用しており、薬剤師は患者の職業が調理師であると知っていた。また、薬剤師はA錠に味覚関連の副作用があるという情報をMRから得ていた。
●
味覚関連の副作用の発現頻度について患者へ説明を行ったところ、患者は薬剤の変更を希望した。
●
処方医に患者の職業と意向を伝えたところ、薬剤変更となった。

背景・要因

●
処方医は、患者の職業が調理師であることを知らされていなかった。
●
処方医は患者に味覚関連の副作用を伝えていたが、患者はまれな副作用と認識し、仕事に支障があるとは思わなかった。

事例2から
考えられること

薬剤師は、患者さんとの密なコミュニケーション、薬剤に対する情報収集の両方を行っていました。常日頃の心がけが、患者さんの生活と薬の副作用を結び付け、患者さんの意向確認に繋がった事例です。
 処方医がかかりつけ医でない場合、副作用の説明が一般的な注意喚起にとどまってしまうことがあります。薬剤師は、患者さんの職業、生活状況にも目を配り、補足説明が必要であれば資材などを活用してわかりやすく伝えます。
イラスト 患者さんが納得して薬剤を服用できるように手助けすることも、薬剤師の重要な役割です。

イラスト:副作用に味覚への影響あり、か… 確か○○さんは調理師だったよね…
事例3

市販薬と処方薬の重複投与を防いだ事例3)

概要

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風邪症状のある患者が解熱鎮痛薬A錠の購入を希望した。
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販売時のチェックシートに沿って、患者が持参していたお薬手帳を確認したところ、整形外科から消炎鎮痛剤B錠が処方され、現在も服用していることがわかった。
●
A錠にはB錠と同一成分が配合されており、重複投与となるため薬剤師はA錠の販売を中止し、B錠と成分が重複しない総合感冒剤C錠を患者へ勧めた。

背景・要因

●
患者はB錠の薬剤名を把握していたが、成分名は把握していなかった。
●
患者はA錠の成分表記を確認しても、B錠の同一成分が含まれているとわからなかった。

事例3から
考えられること

患者さんは薬剤名を知っていても、成分名を知らないことが多いです。一般用医薬品や要指導医薬品の販売では、薬剤・成分名に対する患者さんの認識が誤っていることも念頭に置いて確認します。
 「お薬手帳はお持ちですか?」「他に飲んでいるお薬はありませんか?」こういった声かけが、不適切な医薬品販売を防ぎます。
 事例3では、チェックシートの手順を守って薬歴を確認したことで、重複投与を防ぐことができました。イラスト確認事項をまとめたチェックシートを作成するなど、薬局全体で適正な医薬品販売に取り組むことが大切です。

イラスト:併用は大丈夫? 医療用医薬品・OTC医薬品

事例ごとの3つの確認ポイント

事 例1
複数の情報源から情報を確認する。
事 例2
薬剤の知識を取り入れたうえで、患者さんの個別の背景を考慮し、意向を確認する。
事 例3
一般用医薬品や要指導医薬品の販売においても、お薬手帳などで情報を確認する。

患者さんの生活に寄り添いながら、正確な情報確認を行うことで、不適切な処方を防ぐことができます。

参考
  • 公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部. 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 共有すべき事例
  • 1) 2025年 No.6 事例2(最終アクセス:2026.6.26)
  • 2) 2025年 No.4 事例3(最終アクセス:2026.6.26)
  • 3) 2025年 No.12 事例3(最終アクセス:2026.6.26)

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