薬局では患者さんの「怒り」に直面する場面もあります。
落ち着いて対応するためには怒りへの対処法を知っておくことが大切です。
怒っている患者さんとの建設的なコミュニケーションについて考えます。
監 修坂口 眞弓 先生 みどり薬局[東京都台東区蔵前]
相手が怒りという強い感情を表出しているとき、自分も感情的になってしまうと収束が困難になります。一呼吸おいて冷静に対応することが大切です。
まずは怒っている理由を把握します。ポイントは、傾聴の姿勢で相手の話を遮らないこと、大事な部分は掘り下げることです。こうすることで理由を正確に把握でき、多くは患者さんの感情も徐々に落ち着いてきます。
患者さんの話が一区切りついたら、「お話しいただいてありがとうございます。○○さんは、△△のことや□□のことでご立腹されたのですね」と、内容を整理して確認します。怒りが薬局や薬剤師に起因するものであれば、「ご指摘はもっともだと思います」「このようなことになってしまい、申し訳ございません」など共感的な言葉で謝罪します。
中には、明らかな間違いや失礼な対応などに思い当たる点がない場合や、薬剤師の不手際か患者さんの勘違いか分からない場合があります。こういう場合にも、「ご不快にさせてしまって、申し訳ございません」という表現で謝罪をします。
謝罪をすることで「間違いを認めたから謝った」と認識され大きなトラブルに発展するのでは?と不安になるかもしれませんが、「ご不快にさせてしまって」という一言を付け加えることで、あのときの謝罪は「気分を害したことに対してです」と説明することができます。
釈明の必要があればきちんと伝えたのち、「今日のお話をもとに改善策を考えます」などと指摘を今後に活かす意思を言葉にします。最後に、「ご指摘してくださってありがとうございます」「改善の機会を与えてくださって感謝します」と謝意を伝えることも忘れないようにします。
話す場所や対応する薬剤師を代えることで、患者さんが少し冷静になったり、誠意を感じてもらえたりすることがあります。例えば、店頭カウンターからプライバシーに配慮した空間へ誘導したり、上長の薬剤師が「私がこの薬局の管理者です。〇〇に代わって私がお話を伺ってもよろしいでしょうか」と言って対応したりします。
トラブルが生じたときの対応を薬局内でルール化し、スムーズな対応を心がけることも怒りのレベルを引き下げることにつながり、当事者の薬剤師やまわりの従業員も落ち着いて行動することができます。
患者さんのお話に耳を傾けているうちに、実は薬局・薬剤師以外に対して怒っているということが分かってくることもあります。そのような場合でも話を最後まで聞き、「そういう状況であれば私も同じように感じるかもしれません」「そう思われるのも当然だと思います」など、患者さんの気持ちに寄り添った言葉をかけます。
もし、怒りの原因が患者さんの勘違いであったとしても、「率直にお話しいただき誤解が解けてよかったです」などとポジティブな言葉をかけ、「これからも何でもおっしゃってください」と、支援を続ける姿勢を明確に伝えます。オープンに話せる関係ができると、患者さんの薬局・薬剤師への信頼が深まり誤解が生まれにくくなります。
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