「トイレが近い」という悩みを持つ患者さんは
楽しいはずの外出や旅行が不安の種になることがあります。
安心して外出でき、活動的に過ごすための対策を考えます。
監 修坂口 眞弓 先生 みどり薬局[東京都台東区蔵前]
朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます。頻尿症状があると、外出に対して消極的になりがちです。我慢できないほどの尿意を感じてトイレに駆け込むことがあったり、トイレに間に合わず失禁してしまったりした経験がある場合は、なおさら不安が大きくなります。そのような患者さんでも、対策をすれば十分外出を楽しむことが可能です。
最も基本的な対策は、泌尿器科やかかりつけ医に相談し、原因を調べて適切な治療を受けることです。頻尿の原因は様々ですが、過活動膀胱、残尿(排尿後にも膀胱の中に尿が残ること)、多尿(尿量が多いこと)、尿路感染・炎症、腫瘍、心因性に分けることができます。例えば原因が過活動膀胱であると診断された場合、行動療法(膀胱訓練・骨盤底筋訓練など)や薬物療法で症状を和らげることができるとされています。未受診の患者さんの場合には、早めに泌尿器科やかかりつけ医を受診するよう勧めます。
外出先のトイレの場所を予め確認しておくことで、初めて訪れる場所でも慌てなくて済みます。また、新幹線や飛行機を利用する場合は、トイレに近い座席や通路側の座席を予約しておくとよいでしょう。
身体を冷やさないような服装を心がけます。寒い時期であれば、保温効果の高い下着を身に着けたり、マフラー、手袋、靴下を着用して冷たい外気に皮膚が直接触れないようにします。暑い時期であれば、冷房対策としてストールや羽織物があるとよいでしょう。
使い捨てカイロや保温効果のある水筒があると保温対策に役立ちます。また、尿もれパッド、万が一のための予備の下着や着替えを用意しておくと安心です。
頻尿を気にする患者さんは水分を摂ることを我慢しがちになります。しかし、飛行機など長時間じっとしている状況で水分を摂らないと、血行不良などでエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症など)につながる可能性もあります。通常通り、適度な水分補給を心がけます。
利尿作用のあるカフェインやアルコール、冷たすぎる飲み物は避けます。温かい飲み物を一口ずつ飲めるように、水筒にカフェインレスの飲み物を用意しておくと安心です。
「トイレに行きたくなったらどうしよう…」と不安が強いほど、緊張してトイレに行きたくなるものです。せっかくの外出や旅行が楽しめないのは残念です。対策をしたら気持ちを切り替え、リラックスして楽しみます。
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