地域の人々に頼られる薬局を目指してさまざまな活動にご尽力されている
みどり薬局(東京都台東区蔵前)の坂口眞弓先生と田中みずき先生に、
それぞれの患者さんに合わせた服薬指導・声かけ・支援のポイントについて伺いました。
生活習慣病の患者さんへのアドバイスでは、それぞれの患者さんが取り組めそうなことを“ひとつだけ”提案します。「夕食では炭水化物を摂取しない、または半分に」、「通勤時ではエスカレーターではなく階段を」などの一般的なアドバイスであっても、一度にあれこれ言われるよりも、ひとつだけのほうが意識に残りやすく、実践しやすいと考えられます。
たとえば「どうしてもチョコレートが止められない」という患者さんには、禁止するのではなく、「何粒食べていますか?」と尋ねて提案内容を決めていきます。「今回は菓子パンについて」、「次回は清涼飲料水について」と毎回話題を少しずつ変えることも効果的です。
生活習慣改善の意思が強くない患者さんは少なくありません。「主治医の指導や薬剤師からの提案を守れそうにない」と打ち明けてくれる患者さんには「変えられそうなところはありますか?」と問いかけ、「〇〇であれば変えられるかもしれない」と、患者さん自身に考えてもらうことが大切です。
患者さんとの会話から日常生活を想像し、さらにコミュニケーションを深めて好きなことや生きがいを共有することが患者さんの心に寄り添う第一歩です。
以前はおしゃれだった女性が頑張ってリハビリテーションに取り組んでいました。『再びデパートでのショッピングを楽しむことが目標なのかな?』と思って聞いてみると、「孫と出かけるために頑張っているのよ」と教えていただき、それからはお孫さんの話題を交えながら応援することができました。生活習慣病患者さんの場合も同様であり、信頼関係を築き、患者さんの想いを共有できるようになれば、それを目標にした声掛けができます。
糖尿病などの疾患が進行していれば、薬剤師ができることにも限界があります。発症予防と早期診断の観点から、たとえば家族歴のある患者さんや、健康診断をしばらく受けていない30~50代の患者さんなどに、検体測定室でのセルフチェックを勧めるなどの働きかけができるとよいと考えています。
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